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イヌトキ
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こんばんは、ここ一週間ほどご無沙汰しており申し訳ございませんでした><
空けていたにも関わらず、前回記事やリレー、過去記事等への拍手ありがとうございます!!!!
やる気と努力と元気の源ですっvv

さて、追記にて何を思ったか唐突な小説っぽい物体(ちょっぴり挿絵付)です。
無駄に長いので、お時間が許す時に、斜め45度くらい上を見ながら焦点を合わさずに見てやって下さるのが一番いい気がいたします。(長いYO)


・・・何でもござれな創設期ファンな方は、追記からお進みくださいますようお願いいたします!
ヒヒンッ(←良心が痛んだ音)



拍手[31回]






月の揺蕩う、夏の夕刻。
創立間もない木の葉の里で、
今夜、一大イベントが、行われようとしていた。


「酒宴」である。


ただの酒宴ではない。

うちは と 千手 ――
長年争い続けながらも手を取り合い 里を作った両一族が一堂に会する 初めての飲み会だった。

発起人は千手の頭領、千手柱間。その場に主だった千手一族10人。
これに応じたうちはも頭領のマダラをはじめ、側近と呼べる10人を連れてきていた。
末永く手を取り合い協力していくべき二つの一族の、親交を深めるのがこの宴の狙いである。

今膳をはさんで向かい合う顔は、ほんの一年前まで殺し合いの場で突き合わせていた面々だ。
ざわざわと、盛り上がっている会話を少し聞けば
それぞれ横の一族の者と話していることがわかる。



ただ一組、目で会話する者たちを除いては。







柱間「(これが終わったら、二人で飲みなおそう、マダラよ)」

マダラ「(絶対、話しかけるなよ柱間・・・無視するぞ・・・)」


柱間、マダラはそれぞれの一族を率いる頭領であるが故に、普通に向かい合っているわけではない。
二人の席は、横に長い食膳の机の、縦の短辺2つだ。
つまりお互いが遠く離れた”お誕生日席”だった。

柱間「(いいだろう?)」

マダラ「(バカなことを…!もういい、とにかくこっちを見るな!さっさと裸踊りでもして帰れ!)」

柱間「(後でお前としたいな)」

マダラ「(……も や す ぞ )」

最も離れたところで向かい合う二人が、目線で、小さな仕草で、聞こえない言葉で最も多弁に言葉を交わしている。

・・それに気づかない程、あたりに気を配れない人間は、忍とは言い難い。

そう、無論目立つのである。誰もが気になる程度には、十分目立った。

マダラはそれに気づいてどうにかしようとしていたが、
柱間はそれに気づきながらどうにもする気がないのだから始末が悪い。

すなわちマダラの努力は水の泡。柱間は明らかにマダラだけを見て楽しんでいた。
横からの部下から話しかけようにも、心底楽しそうにマダラを見つめている頭領に水を差す、そんな勇者は皆無だった。
皆、そっと横目で、そのよく言って優しげな、悪く言っていやらしげな眼差しを見守っていた。

「柱間様・・・・うちはの頭領のこと・・見過ぎだよな・・」
「…ばか 今に始まったことじゃなし、放っておけ」
「でもなんか腹立つな・・・」
「お前、近く死ぬかもな」
「!?」


宴の喧噪の中身は、たいていこんな内容だろう。

だが、そこへ
そんな微妙な空気を打ち破らんと、うちはの勇者が立ち上がった。

「あの・・・・・っみなさん!!」

列席する人間の中では比較的若年である青年が、その場で拳を握りしめて、他方の手を挙げていう。

「せっ せっかく皆さんで集まったことですし・・・・・ぽ・・・ぽ・・・・・・・ぽぽぽ!!!」
・・・ぽ?





「ポッキーゲーム・・・っ」

「みんなでしませんかっっっ!?」

「・・・・・・」

みしり、とポッキーの箱が泣く音が響いた気がした。


あの空気の中よくぞ頑張った、そんな眼差しを向ける人間が3割
何言ってんだこいつ・・・という冷ややかな視線の人間が3割といったところか。残りは驚きといったところ。
甘っちょろい人間が多いと後年揶揄されるこの隠れ里ゆえの数字かと思われるがどうだったろう。

楽しいポッキーゲーム。
ポッキーゲームは、ごく親しい人間同士がはにかみながらやることで親密度を飛躍的に高める儀式である。
この面々20名が向かいの席の相手とやったところで、悲惨な結果しかもたらさないような気が皆していた。
全員でやるという考えがそもそもおかしい。というより怖い。
だが、彼の投げた石は確かに何かを変えた。
ポッキーゲームをやるにしろやらないにしろ、何かしら「やる」ことが必然となり、何を「やる」かを両家で話し合わねばならない、そんな空気をもたらしたのだった。

拾い上げたのは、主催者柱間である。
青ざめたり息を荒げたりと忙しいうちはの青年に向かって、

「ポッキーゲームか・・・いいじゃないか!
お前の言うとおり、皆で何か楽しい事をしたいと、オレも思う。」

今の今までニヤニヤしてただけのくせに!と
誰もが思った。心の中では誰もが自由人である。

しかし頭領のお言葉をガン無視するわけにもいかない。

柱間「そうだな…皆、何がいいものはないか?」
ポッキーを使って」

 「(使うのかよ・・・)」「(難易度高ェよ・・・っ)」

それまでとは違った種類のざわめきの中、

 「あ・・それなら」

と、ポッキー青年の横に座るこれまた若年のうちは青年B。

「王様ゲームと組み合わせてはどうでしょう・・?王様ゲームは知ってますよね皆さん。
王様とそれ以外一人一つの番号を割り振ります、方法はくじびきで。
王様は「王様はだ~~れだ!」の掛け声の後名乗り出る。嘘はだめです。王様以外は自分の番号は言わない、そんで・・・」
説明はあまりうまくない。だが皆彼のいうゲームが妥当だと思ったのか、頷きながら聞くものが多い。

「ま、ポッキーゲームといえば、それが王道かなと。王様ゲームだけに!」

最後のは完全に滑っていたが、誰も咎めはしない。この場で萎縮することのない勇気ある青年なのだ。
やることとやる方法が決まったのだから、あとは野となれ山となれ、である。

皆の顔は楽しみに胸躍るというより、やるしかないという覚悟の面持ちであった。
酒をもっと飲ませなければ。そう思った気の利く誰かが酒樽を持ってきて皆に配り始めた。


そうこうするうちに、どこからか本格的な王様ゲーム用のくじ引き棒のようなものが運ばれてきた。
それぞれ酒の量がそこそこ入っていることもあってか、
くじ引きとは不思議なもので、なんとなく、なぜか、楽しい。 

早速、「おーい、オレ9番だけど・・・ってあっ」と自ら下僕宣言をしてしまう者もいたり。

「はいお前のせいで引き直し~~~」
「あーあ~」
「何ッ!」


がやがやと千手とうちはが入り混じってくじ引きを「ふん」と力を入れて引き抜いていくさまは、なかなかに微笑ましいもの。
やっと宴らしくなってきたなと柱間は思い笑んだ。
うちはの方を見やれば、何やら騒がしい声が聞こえてくる。









マダラを、あっさり止めるのは側近中の側近、ヒカクだけだ。
頭領らしからぬ行いを、と穏やかに諌めれば、
頭領だからこそ妙な所を部下に見せるわけにはいかんと、マダラは不満そうに口を尖らせた。

うちはの中でも高い実力と位を持つヒカクがこのような世話役を買って出るのは、「頭領らしからぬ行いをする」マダラを他の誰にも見せたくないからか、それとも主に近くあるのは自分だけで良いという単なる独占欲からか・・。
向かい側の楽しげな様子に必要のない詮索をしながら、柱間は自分のところに回ってきたクジを引いた。

10番。

左側の「1」をこっそりと消してしまえば誰にも命令されることはない、などと考えながら、クジの棒を持った手で肘をつき、マダラの周囲を観察した。

ポッキー青年はふんぬっと気合を入れて引いて、明らかに残念そうな顔をし、
マダラはヒカクに瞳術使用を禁止されてふてくされていつつも、真剣な面持ちで棒を抜き取った。
こちらも明らかに嫌な顔で、きっと王様ではなかったのだろうと察せられた。
ならば何番か?
唇の動きで
「おしえてくれよ」
とマダラに訴えかえると、
何を勘違いしたのだろうか、眉間にしわを寄せて




「だいきらいだ」


と言っているとかすかな唇の動きで知れた。少しだけ頬が赤い。 実に柱間の男心をくすぐる仕草だった。

今にも抱きしめにいって、引っ掻かれながら、お互いに疲れるまで抱きしめて一緒に眠りにつきたい、そんな衝動に駆られた。いや、我慢だ、これが終わってからだ、そう一人心でつぶやいて、マダラにとびきりの笑みを返してやった。

二人が秘密の読唇に興じている間に、うちはではヒカクが最後の残り物を自らのクジとし、全員に番号がいきわたった。


同時に、いよいよ、千手とうちはによる、歴史的ドッキリング☆王様ポッキーゲームの始まりである。




     次回に続きます。
     中途半端なところで力尽きてすみません・・・!
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NARUTOの「木の葉創設期」をメインディッシュとしたサイトです。ごゆるりと。
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関西在住。
しっかり腐っています。
バイオレンスなのは苦手な七面鳥。

NARUTOキャラは誰でも好きですが、そうした博愛は薄情に等しい為、マッチョで裸族でキノコ前な柱間氏にぞっこんだと言っておきますw
マダラ様は右でも左でもいける男前だ!
即ち創設期ウマーーァ!←
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